映画のこと– category –
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映画のこと
吸血鬼はいつから日光で死ぬようになったのか?――1922年「吸血鬼ノスフェラトゥ」
やっと辿り着いた、すべての始まりへ ホラー映画好きとして、死ぬまでに見ておきたい映画がいくつかある。『エクソシスト』『サスペリア』『悪魔のいけにえ』――名作の数... -
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なぜ日本の透明人間は“善人”なのか? – 日米『透明人間』像から透ける、罪と罰の倫理観
もし、誰の目にも見えなくなったら、あなたは何をするだろうか。 この根源的な問いは、古くはプラトンの『国家』に登場する「ギュゲスの指輪」の逸話から、現代に至るま... -
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「M」(1931年)が暴く鏡像〜『怪物』の人間性と『正常』の狂気
1931年、ワイマール共和国末期の不安定なドイツ社会に投じられたフリッツ・ラング監督の『M』は、単なるサイコスリラーの始祖に留まらず、現代に至るまで鋭い問いを投げ... -
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『大名倒産』で読み解く――武士は本当に貧乏だったのか?3万石藩主vs大商人の実収入比較
映画『大名倒産』を観ながら抱いた素朴な疑問がある。「殿様なのに、なぜこんなに貧乏なのか?」という問いだ。主人公の松平小四郎(神木隆之介)が継いだ越後丹生山藩... -
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「シェイクスピアは、もう成仏したんですよ」― 記憶に残る一本の台詞
深夜、店を閉めてひとり残った時間に、ふと思い出す映画の台詞がある。それは1997年に公開された『Lie Lie Lie』の中で、豊川悦司演じる詐欺師・相川が、テレビ討論会の... -
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ペンを握る手が震えるとき――『ガバリン』に見る創造行為と狂気の境界線
作家という職業ほど、孤独と狂気の境界線を踏みしめながら歩く仕事はないのかもしれない。白紙の原稿用紙を前に、ただひとり言葉と格闘する時間。そこには誰も介入でき... -
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映画『地球最後の日』エンディング考察—40名で人類は存続できるのか
物語の始まり—8ヶ月後の終末 1951年、ルドルフ・マテ監督、ジョージ・パル製作による『地球最後の日』(When Worlds Collide)は、一つの観測から始まる。南アフリカの天... -
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『戦艦ポチョムキン』に学ぶ、カフェという集合の美学
夜の営業後、いつものように古い映画を観る。 1925年制作のソ連の映画『戦艦ポチョムキン』。白黒のサイレント映画だ。 ソ連国内の公開時のポスター 画面には次々と顔が... -
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怪物とは誰なのか──『フリークス』(1932年)を観て考えた、人間の本質
最近、クラシックなサスペンスやホラーを観たい衝動に駆られている。気分的にもそうだが、サイト運営を始めてからというもの、仕事との両立でまとまった時間が取りづら... -
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「地底探検」(1959年)/探検は男のロマン、空洞は大人の夢
仕込みを終えて、店が静かになる。マシンの熱が抜け、床に置いた椅子がきしむ小さな音だけが残る夜。私は一人で『地底探検』を再生した。映画を観る時間は、私にとって...
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